日々のちょっとした出来事や、ふと考えたことを、文章にしてみたい。そう思っても、いざ書こうとすると「何を書けばいいのか分からない」「書き始めても途中で止まってしまう」という人は多いはずです。
この記事では、はじめてエッセイを書く人に向けて、題材の見つけ方から書き上げるまでの流れを紹介します。
エッセイとは、どんな文章か
エッセイは、自分が体験したことや考えたことを、読む人に向けて書く文章です。日記との違いは、読む人がいることを前提にしている点です。
- 出来事を書くだけでなく、そこで何を感じ、何に気づいたかを書く
- 自分にしか書けない具体的な場面がある
- 読み終えた人の心に、何か一つ残るものがある
特別な体験でなくてかまいません。むしろ、誰にでもありそうな日常の場面を、自分ならではの視点で書くことに、エッセイの面白さがあります。
題材の見つけ方
「書くことがない」と感じるときは、題材がないのではなく、見つけ方を知らないだけのことが多いものです。
- 心が動いた瞬間をメモする:笑った、腹が立った、懐かしくなった、驚いた
- 繰り返し思い出す場面を書き出す:子どもの頃の一場面、忘れられない一言
- 身近な物から考える:長く使っている道具、毎朝通る道、好きな食べ物
- 「なぜだろう」を集める:自分でもうまく説明できない好き嫌いや、こだわり
メモは「場面」で残す
「おもしろかった」だけでなく、「いつ・どこで・誰が・何を言ったか」まで短く残しておくと、あとで書くときに場面がよみがえります。エッセイの説得力は、具体的な場面から生まれます。
構成の考え方
最初は、次の3つの部分で組み立てると書きやすくなります。
| 部分 | 書くこと | 分量の目安 |
|---|---|---|
| 場面 | 具体的な出来事。読む人がその場にいるように | 全体の4割ほど |
| 気づき | その出来事から、何を感じ、何を考えたか | 全体の4割ほど |
| 余韻 | 今の自分や、これからにつなげる一言 | 全体の2割ほど |
大切なのは、言いたいことを一つに絞ることです。あれもこれも書きたくなったら、それぞれ別のエッセイにしてしまいましょう。
書き出しと、締めくくり
書き出しは「場面」から
「私は昔から〜が好きだ」のような説明から始めるより、具体的な場面から始めると、読む人を一気に引き込めます。
- 説明から:「私は朝の散歩が好きだ。」
- 場面から:「午前6時、まだ誰もいない川沿いの道で、同じ犬とすれ違う。」
締めくくりは、言い切りすぎない
最後に教訓をまとめたくなりますが、言い切りすぎると、読む人が考える余白がなくなります。気づきを一言で示したら、そこで止めるくらいがちょうどいい余韻になります。
書き上げてから、直す
最初から完璧な文章を書こうとすると、手が止まります。まずは最後まで書き上げてから、直す順番にしましょう。
推敲するときのポイントは次のとおりです。
- 声に出して読む:つかえるところは、読みにくいところ
- 一文を短くする:一文に一つのことだけを書く
- 同じ言葉の繰り返しを減らす:特に文末の「〜と思う」「〜した」
- なくても意味が通る部分を削る:削るほど、言いたいことがはっきりする
- 一晩おいてから読み直す:書いた直後は気づけないことに気づける
人に読んでもらう
エッセイは、人に読んでもらってはじめて、自分の文章がどう伝わっているかが分かります。
- 自分では当たり前に思っていた部分に、読み手が惹かれることがある
- 伝わったつもりの部分が、伝わっていないことに気づける
- 他の人の文章を読むことで、表現の幅が広がる
文章の講座では、参加者どうしで作品を読み合い、講師から講評を受けられます。少人数の講座なら、一人ひとりの作品にしっかり時間をかけてもらえます。少人数で学ぶ良さは、少人数で学ぶと、何が変わる?でも紹介しています。
まとめ
- エッセイは、体験と、そこから得た気づきを、読む人に向けて書く文章
- 心が動いた瞬間を、場面ごとメモしておくと題材になる
- 場面・気づき・余韻の3つで組み立て、言いたいことは一つに絞る
- まず最後まで書き、声に出して読みながら直す
- 人に読んでもらうことで、伝わり方が分かる
書くことを続けたい人は、回数制コースと月謝制、続けやすいのはどっち?も参考にしてください。